銀河の死なない子供たちへ 上巻
銀河の死なない子供たちへ 上巻
著者 施川 ユウキ
人類を探してライムを刻みながら地球を彷徨い歩く姉、π(パイ)と死の実感を得たい弟マッキのお話。
タイトルの通り死なない(死ねない)姉弟のお話なんだけど、死なない(終わりが無い)ことはとても不毛なんだな。
1話の導入部分でどこかで生きているはずの人類と読者に自分の存在を呼びかけながら地球を彷徨うπに惹き込まれた。
しかしながら呼びかけども呼びかけども人類は見つからないし、死なない姉弟を置いてけぼりにして斯くも銀河は廻り続ける。
独りぼっちで地球を彷徨うπを見ていると、深夜4時ぐらいにTwitterで買う気もないのに自分の春を売っている異性のアカウントを眺めている自分になんとなくリンクしてくる。
主人公たちは確かに地球で生きているんだけど、死ねないということは地球の生命の循環から疎外されている。
深夜4時に眠れない自分も人間の営みから疎外されている気分になる、ネットの海を漂流物のようにフヨフヨと独り漂うあの孤独がたまらなく感じるのである。
きっとπも自分も誰かに見つけて欲しいんだろうな、うん。
うーん、Twitterで援交のアカウントを眺めてる例えはわかりにくいからやっぱナシで。
終盤から話がややこしくなるんだけど、これ下巻でちゃんと終わるの???